【あなたのコードは見られている】
とある大手サイトから手を引いた
デザイナーが手掛けていたページに、
地雷が仕掛けられていました。
夫婦で昼からずっと、修復をしましたが、
あまりの酷さに溜息が。
「どこの誰だよ、こんなの書いたのは」
「これって初心者同然じゃないか?」
「何でここにCSS入れるのかね?」
たぶん本人はHTMLとCSSの書き方を知っています。
いえ、書き方“しか”知らないようです。
作法を知らないから、自分が去ったあと
お客様に迷惑がかかってしまうような
制作をしたことに気付けないのでしょう。
まさに 無知の罪 です。
しかしまぁ、今日の仕事の成果なので
原因と本来あるべき対処をまとめます。
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■状況
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IE9でまともに閲覧できない。
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■原因
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1.非推奨タグの乱用
→非推奨というより、デザイン要素を
HTMLに持ち込むことがセオリー違反。
2.他人のCSSのコピーをあちこちに複写
→記述場所が邪魔をして、正しい場所に書いた
CSSが反映できない
3.インデントが汚い
→HTMLもCSSも全体を俯瞰できておらず
構造化されていない。
4.行き当たりばったりの命名。
→他人が書いたCSSとid,classが重複し、
影響を避けるためプロパティを2重定義。
5.コメントに不真面目さが現れている。
→「ふぉんと」とか。
6.HTMLの途中にCSS定義が混在。
→他の人が見て気付けない場所に書いている。
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■本来の対処法
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1.非推奨タグの乱用
→面倒でも、局所的にスタイル設定するなら
classを作ってHTMLとCSSの役割分担を徹底。
2.他人のCSSのコピーをあちこちに複写
→「他人のソースだから私は知らない」という
自分勝手な思想を捨て、きちんと全体を分析
して流用すべきCSSは流用し、整理できるCSS
は自分で整理すること。
3.インデントが汚い
→整理整頓できていないコードはバグの温床。
納品前にコード整形すること。
4.行き当たりばったりの命名。
→CSSのclass,idの命名はサイトの設計である。
設計ミスはコーディングミスにつながる。
最初にサイトを作る人は、後から引き継ぐ
人達がミスせずにメンテナンスできるよう
見通しよく美しいコードを書くべき。
5.コメントに不真面目さが現れている。
→HTMLやCSSのコメント記法は「ソースを開く」
で誰にでも見える。遊び半分なコメントは
自らの品位を落とすとと心得るべき。
(ちょっと知識のあるお客様なら見れます)
6.HTMLの途中にCSS定義が混在。
→CSSは一箇所にまとめないと、他人が判読
できずにミスを誘発する。忙しくても、
プロとして仕事するのなら設計に立ち返り
しかるべき場所に定義を追加するべき。
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■まとめ
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保守性を考慮したコーディングは、
誰でもできるものではありません。
ある程度の実践は必要です。
見た目がデザイン通りだったらOKという
「お客様が納得する精度」
で出来たと思いこむのは危険だということ。
コードは人の手を渡ります。
・自分の手を離れても恥ずかしくないか?
・自分の設計方針を他人がコードから
読み取れるように構成できているか?
・表示できればOKと勘違いしていないか?
・文法間違いが無いのは当たり前として、
作法に則っているか?
・自分の作法の合理性を人に説明できるか?
こういったことを意識して書ける人は
「○○さんのコードは綺麗だ」
と言われます。
人は外見では判断できませんが、
言動や態度からある程度の人柄は想像
されてしまいますよね。
コードも一緒。
コードを見れば、
「この人は几帳面だな」
「テキトーな人だな」
「真面目だけど詰めが甘い」
「我流すぎて読む人のことを考えてない」
など、伝わってしまうんですよね。
気を付けないと。